めまいの原因

耳の奥には「耳石」という炭酸カルシウムでできた物質があり、この「耳石」が平衡感覚に関わる三半規管の中に入り込んでしまうことでめまいが起こります。

これが良性発作性頭位めまい症で、態勢を変えたり、頭の位置を動かした時にグルグル目が回ります。発作は30秒から1分程度の短い時間で治まるのが特徴です。

耳の奥には「内耳」という所がありリンパ液で満たされています。そのリンパ液が増えすぎると「内耳」が水ぶくれの状態になってめまいが起こります。

目がグルグル回る回転性のめまいと一緒に、耳の症状（耳鳴りや難聴、耳の詰まり感など）が起こるのが特徴で、発作は数十分から数時間続く場合もあります。

前庭神経炎は風邪を引いた後に発症することが多く、ウイルス感染が原因だと考えられています。激しい回転性のめまいが起こり、吐き気や嘔吐を伴って数日間続くのが特徴です。

突発性難聴とは、どちらかの耳が突然聞こえづらくなる病気です。原因としてウイルス感染や血流障害の関係が指摘されています。難聴以外にめまいや耳鳴りを伴うことがあります。

外リンパろうは耳の中の「内耳」に穴が空いて髄液が漏れることで起こり、突然の難聴やめまい、ふらつきなどの症状が現れます。

はなをかむ、くしゃみや咳をする、トイレでいきむ、飛行機に乗るなど急激な圧力の変化を伴う行為が「内耳」に穴が開く原因になります。

脳梗塞や脳出血でもめまいが起こります。下記のような症状を伴うことが多いので、一つでも当てはまればすぐに病院に行って下さい。

1. ものが二重に見える
2. 話してみてろれつが回らない。
3. 手足や身体がしびれる、動かしづらい
4. 脱力感がある

一過性の脳の虚血によるもので、首から脳へつながる椎骨動脈と脳底動脈の血流が悪くなることで起こります。原因には動脈硬化など血管の問題もありますが、当院では首の歪みも少なからず関係していると考えています。

耳の奥にできる良性の脳腫瘍で、多くは難聴を伴います。めまいは現れても比較的軽度な場合が多いようですが、腫瘍が大きくなると顔面神経麻痺や歩行困難、頭痛・吐き気・意識障害を伴う事もあります。

自律神経失調症ではめまいの症状を訴える方が多いです。検査で耳や脳に問題がない場合、自律神経失調症が疑われます。

パニック障害では、突然めまいや動悸などの症状が強い不安感とともに現れます。症状は通常20～30分、長くても1時間以内に治まることが多いです。

起立性調節障害は、思春期前後に多く、起立時にめまいや立ちくらみ、失神などの症状が現れます。自律神経の乱れから血圧調節がうまくできないことが原因だと言われています。

その他、更年期障害や低血圧、貧血などもめまいの原因になります。前述の通りめまいの原因は多岐に渡り、命に関わるケースもありますので注意が必要です。